The Troggs - Wild Thing / With A Girl Like You [ATCO label]

後のパンク・ロックに直結するガレージィで暴力的なサウンドで多くのパンク・バンドに影響を与えているといわれている、イギリス・ハンプシャイアー出身のロック・グループ／ザ・トロッグスが、1966年4月22日にATCOレーベルからリリースしたシングルです。ザ・キンクスのマネージャーでもあったラリー・ペイジ・プロデュースによる作品で、ビルボード・ホット100チャートで最高1位、USキャッシュボックスチャートで最高1位、カナダのRPMチャートで最高2位、UKシングルチャートで最高2位を記録しました。ローリングストーン誌が選ぶ「ザ・500・グレーテスト・ソングス・オブ・オール・タイム」のリストでは第257位にランクしています。


Larry Page

邦題「恋はワイルド・シング」としても知られ、ロックのスタンダードとして有名な本作だと思いますが、実はアメリカのチップ・テイラー＆ザ・ワイルド・ワンズが1965年に録音していた作品のカバーです。



チップ・テイラー＆ザ・ワイルド・ワンズのバージョンは全く売れずマイナー曲でしたが、この曲のことを知っていたラリー・ペイジの推薦でザ・トロッグスで録音することが決まりました。ガレージィで荒っぽい演奏によるワイルドなバージョンとして大ヒットとなった60's ブリティッシュ・ロック・クラシックスです。

当時、アメリカではこのATCOレーベル盤と共に、FONTANAレーベル盤も流通しており、これらの両方のレーベルで全米1位のヒット曲となるという唯一の事例となりました。



映画『メジャーリーグ』でもおなじみです。



裏面は1966年7月8日にFONTANAレーベルからリリースされた作品のカップリングです。こちらもラリー・ペイジ・プロデュースによる作品で、ビルボード・ホット100チャートで最高29位、USキャッシュボックスチャートで最高41位、カナダのRPMチャートで最高16位、UKシングルチャートで最高1位を記録しました。

リード・ボーカリストであるレグ・プレスリーが煉瓦職人だったときに書いた曲です。ザ・ビーチ・ボーイズのヒットとなった「バーバラ・アン」からインスピレーションを得たというキャッチーな楽曲を、エネルギーを抑えた感じのバンドの演奏に乗せて仕上げた60's ブリティッシュ・ビート・クラシックスです。

A面の作者名が「Presley」表記で間違えているエラー盤です（正しくは「Taylor」表記）。

コンディション：NM/NM/DH マトリックス番号：66C-10128-2 / 66C-10127-1

アーティスト【ザ・トロッグス】





UKロック・グループ。リードシンガーのレグ・プレスリーを中心に、1964年にイギリス・ハンプシャイアーにて結成されたザ・トロッグロダイツ（The Troglodytes）が前身となる。1965年にザ・キンクスのマネージャーだったラリー・ページとマネージメント契約を交わし、彼の所有するPAGE ONEレーベルに初録音をする。その後大手CBSレーベルからデビューし、チップ・テイラーが作曲した「Wild Thing」のカバーが世界的にヒットし有名になる。以降も「With a Girl Like You」「Love Is All Around」がヒットしている。彼らが残したガレージィで暴力的なサウンドは、後のパンク・ロックに直結し、イギー・ポップ、バズ・コックス、ラモーンズ、MC5…等々に影響を与えているといわれている。