Jimmy Cross - I Want My Baby Back / Play The Other Side

フィラデルフィアのラジオ番組プロデューサー／ジミー・クロスが、1965年2月にTOLLIEレーベルからリリースしたシングルです。ビルボード・ホット100チャートで最高92位を記録したワンヒットワンダーです。ラジオ放送局のDJでノベルティソング、コメディーソング、奇妙または異常な録音を専門としているレコード・コレクターであるデメント博士（Dr. Demento）のショウで頻繁にオンエアされました。

Dr. Demento

ペリー・ボトキン・ジュニアとジル・ガーフィールドが書いた曲です。


Perry Botkin Jr.


Gilbert I. Garfield

「ザ・ビートルズのコンサートから帰宅途中に、交通事故で彼女を失ってしまった」という内容のノヴェルティー・ソングで、“人の死”を扱っており、通称“デス・レコード”のオールディーズ曲として知られています。ドラマチックなSE（効果音）に乗せた悲惨な事故の状況を、感情的に語り歌う構成となっています。同系の作品としてはザ・シャングリラスの「リーダー・オブ・ザ・パック」が有名ですが、本作も同様に「リーダー・オブ・ザ・パック」をイミテートした作品であります。UK ACEレーベル編集によるV.Aコンピレーションアルバム『The Golden Age Of American Rock 'N' Roll - Special Novelty Edition』に収録されています。


Various - 『The Golden Age Of American Rock 'N' Roll - Special Novelty Edition』 [ACE/CDCHD 980] (2003)

曲の前半は、1961年にJ.フランク・ウィルソンがヒットさせた「ラスト・キス」と同様の交通事故について語られ、クライマックスにかけては、1964年のザ・シャングリラスの「リーダー・オブ・ザ・パック」を別の角度から捉えた致命的な事故であることが判明します。主人公は唯一の生存者であり、暴走族とそのリーダーは死亡し、彼のガールフレンドはその衝撃で致命的にバラバラになりました。何ヶ月にもわたる悲しみが続いた後、取り乱した主人公は気が狂ってしまい、「何らかの方法で」ガールフレンドを取り戻すことを決意しました。そして彼はガールフレンドの棺桶に這い込み、ふたを閉めて、「遂に俺のベイビーが戻ってきた」と最後の合唱をします。

1977年、イギリスのBBCラジオのDJ／ケニー・エヴェレットによる「ボトム30（最低の30曲）」の一般投票が行われ、本作が第1位となり「世界最悪のレコード」の称号を獲得しました。またその投票結果を元にした選曲で構成されたV.Aコンピレーションアルバム『The World's Worst Record Show』にも収録されました。


Kenny Everett


Various - 『The World's Worst Record Show』 (1978)

1983年にRHINOレーベルによる編集で出された珍盤奇盤を集めたV.Aコンピレーションアルバム『The Rhino Brothers Present the World's Worst Records』にも収録されています。


Various - 『The Rhino Brothers Present the World's Worst Records』 [RHINO/RNLP 809] (1983)

ポップ音楽の歴史上、極めて強烈な珍曲という立ち位置が後年になってからもある意味で珍重され、1978年と1995年に3度リイシューされています。


Jimmy Cross - 『I Want My Baby Back』 [WANTED/CULT 45-101] (1978)


Jimmy Cross - 『I Want My Baby Back』 [RM/RMA 1016] (1978)


Jimmy Cross - 『I Want My Baby Back』 [WANTED/CULT 45-101] (1995)

裏面はバックのオケをピアノ主体のインストゥルメンタル曲として仕上げたバージョンです。

コンディション：NM/NM/RW マトリックス番号：64-6799 55234 / 64-6800 55234X

アーティスト【ジミー・クロス】



ラジオ局プロデューサー、ポップ・シンガー。アラバマ州ドーサン出身。フィラデルフィアのラジオ番組プロデューサーが本業。歌手としては、1965年にリリースしたノヴェルティー・ソング／デス・ソングの「I Want My Baby Back」が一発ヒットしている。