The Leaves - Hey Joe / Funny Little World [Styrene, Monarch Pressing]

カリフォルニア州サンフェルナンド・バレー出身のガレージ・ロック・グループ／ザ・リーヴスが、1966年11月にMIRAレーベルからリリースしたシングルです。

ロサンゼルスのローカル・チャートで最高1位を記録し、ビルボード・ホット100チャートで最高31位を記録したワンヒット・ワンダーです。

ザ・リーヴスで「ヘイ、ジョー」は有名になりましたが、曲のオリジナルの作者は異議を唱えられており、ニーラ・ミラー、ビリー・ロバーツまたはディノ・ヴァレンティとされていたり、トラディショナル曲であるとして捉えられたりしています。詳細は以下に記述。

ニーラ・ミラーは1962年にNYのVARIETY RECORDING SERVICEプレス工場で自主盤としてアセテート盤に本作を吹き込んでおり、最初の曲のタイトルは「ベイビー・プリーズ・ドント・ゴー・トゥ・タウン」でした。「ヘイ、ジョー」の原曲はこれが最初であるというのが現在の見方です。



事実上、米国で一番最初に「ヘイ、ジョー」を著作権登録したのは、1962年にカリフォルニアを拠点とするフォーク・ミュージシャンのビリー・ロバーツによって登録されています。その著作権登録用に録音したデモ音源が残されており現在では聴くことができます。



その後ロバーツの友人であるディノ・ヴァレンティも「ヘイ、ジョー」を演奏し始め作者を主張し、1963年に著作権を登録していますがこれは未録音です。

その後、歌手のティム・ローズは1966年に「ヘイ、ジョー」を録音し、トラディショナル曲を彼自身がアレンジしたオリジナルだとして著作権を登録しました。ところがこれは「ヘイ、ジョー」が完全に伝統的な作品であるという主張を裏付ける証拠は出されていません。ローズは後に、1960年にフォークシンガーのヴィンス・マーティンからこの曲を学んだと語っています。



前年に録音されリリースされていた「ヘイ、ジョー・ホエア・ユー・ゴナ・ゴー」（以下のYouTubeで聴けるバージョン）でしたが、元のギタリストであるビル・ラインハートによる演奏のバージョンに不満があり、新たなギタリストとなるボビー・アーリンが演奏するファズ・ギターに変更したセカンド・バージョンで再録音したのが本作です。



激しいファズトーン・ギターサウンドに、ジム・ポンズの怒気を含んだ荒々しいボーカルが強力な60's ガレージ・クラシックス！1972年にUS ELEKTRAレーベル編集でリリースされたV.Aコンピレーション・アルバム『Nuggets: Original Artyfacts from the First Psychedelic Era, 1965-1968』にも収録された重要作品です。

Various - Nuggets: Original Artyfacts From The First Psychedelic Era 1965-1968 [Elektra/7E-2006] (1972)

ザ・バーズは、ザ・リーヴスが「ヘイ、ジョー」を録音する数か月前に録音しており、1966年7月に発売されたアルバム『フィフス・ディメンション』に含まれます。ザ・バーズのバージョンがロサンゼルス内で広まったことで「ヘイ、ジョー」は注目されるようになったといいます。



1966年10月に録音され12月に発売されたジミ・ヘンドリックスのバージョンは、ロック・ファンなら知らない人はいなというくらいに名作として知られていますが、彼のバージョンは、上記のティム・ローズのスローアレンジを採用しています。



裏面はバラードです。

カップリング曲が「Funny Little World」の2nd.プレスです（1st.プレスはA面のタイトルが「Hey Joe, Where You Gonna Go」で別バージョンでレア／2nd.プレスはカップリングが「Funny Little World」／3rd.プレスはカップリングが「Girl From The East」）。

アーティスト【ザ・リーヴス】



ガレージ・ロック・グループ。1963年にカリフォルニア州サンフェルナンド・バレーで結成された。録音はMIRAレーベルにあり、1966年のヒット作「Hey Joe」はロック・スタンダードとなり、数多くのアーティストにカバーされる名作として知られている。