The Singing Nun - Dominique / Entre Les Etoiles

ベルギー・ブリュッセル出身のシンガー、ソングライター、修道女のジャンヌ＝ポール・マリ・デッケルスが、1963年10月にPHILIPSレーベルからリリースしたシングルです。ビルボード・ホット100チャートで最高1位、カナダのCHUMチャートで最高1位、UKシングルチャートで最高7位を記録しました。1963年末から1964年初めにかけて11か国で最も売れたレコードでした。1964年にグラミー賞の最優秀ゴスペルまたはその他の宗教的録音を受賞しました。アメリカのビルボードチャートで最初で唯一のベルギーのナンバーワン・ヒットシングルとなりました。ビルボードで第1位を獲得した2番目の外国語歌であり、最初の曲は日本語の坂本九の「スキヤキ」でした。

デッケルスによって書かれたベルギー・フランス語のポピュラーソングで、スペイン生まれの司祭であり、ドミニコ会の創立者である聖ドミニコについて歌ったものです。彼女は実際にその会員でありシスター・リュック＝ガブリエルを名乗っていました。歌詞は宗教家そのもので、「ドミ・ニク・ニク・ニク、彼は土地の上をゆっくりと歩き、そして、ちょっとした歌を歌います。決して報酬を求めず、彼はただ主について話します。彼はただ主について話しているだけです。」をシンプルに繰り返す内容です。

この曲が流行った頃はちょうど、ジョン・F・ケネディが暗殺された暗い時期で、フランス語話者以外は歌詞の内容を理解せずとも、人々の心を少しでも癒すような救いのメロディーとなったことが想像出来ます。そういった点でも歴史と共にあった一曲として残る名曲だと思います。ガールズ・ポップの範疇に入るかどうかは分かりませんが、当店では便宜的にガールズ・ポップのジャンルにカテゴライズしておきます。

裏面もデッケルス作による美しいバラード曲です。

アーティスト【ザ・シンギング・ナン】

ジャンヌ＝ポール・マリー・“ジャニーヌ”・デッカーズ（Jeanne-Paule Marie " Jeannine " Deckers、1933年10月17日～1985年3月29日）；フランス語で「微笑むシスター」、英語圏ではしばしばザ・シンギング・ナン（The Singing Nun）と呼ばれたベルギー・ブリュッセル出身のシンガー、ソングライターであり、シスター・リュック・ガブリエルとしてベルギーのドミニコ会の会員でもあった。ベルギーのカトリック修道院でギターを始め、作曲の才能を開花させた。1963年にベルギーフランス語曲「ドミニク」が米国のビルボード・ホット100チャート等で1位を獲得し有名になった。レコーディング契約の条件をめぐる混乱により、彼女は貧困に陥り、信仰も危機に陥り、カトリック教徒でありながら教団を辞めてしまった。彼女は生涯のパートナー、アニー・ペシェールとともに自殺で亡くなっている。